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蘇った思い出

先日図書館に行ったとき、私が好きな作家の一人、重松清氏の「かあちゃん」という小説に目が留まり、借りてきました。

この小説は、オムニバス形式で、中学生、30代の男性、若い教師その他様々な登場人物がそれぞれの母への思いや出来事、また母親像などが書かれた作品で、その中に、認知症になってしまった実の母親を自宅で介護する母のことを、心配しながらもやや冷めた目線で語る女子中学生の話が出てきます。

認知症になってしまった(女子中学生から見た)お祖母ちゃんは子供時代に戻ってしまい、実の娘のことも孫である女子中学生のことも認識できず、1日中炬燵に座って、独自の世界を生きています。
ある日、お祖母ちゃんを庇おうとした女子中学生のお母さんが首と肩を痛めてしまい、お祖母ちゃんの炬燵で少し横になります。
すると、お祖母ちゃんは「風邪がつく、風邪がつく、炬燵で寝ると風邪がつく」と言いながら、布団を探し、お母さんにお布団をかけてあげます。
そして、しばらくすると、おばあちゃんは子守歌を良いながら、お母さんの頭を撫で始めます。

炬燵で寝ると風邪がつく=風邪をひく・・・
このくだりを読んで、ジーンと涙腺緩みました。そして思い出しました。

母が自宅にいた最後の頃、母は「こわい、こわい」と言い続けるので、毎晩母が寝付くまで母の傍にいました。
ある時、母の横で私も居眠りしてしまったのですが、ふと気がついた時に、母が私の頭を撫でて、大丈夫だから、と言っていました。
先程までは、不安がる母に私が手握りながら「大丈夫だから、こわくないから」って言っていたのに・・・

昔のような母親の姿を垣間見えたことがとても嬉しくて、その時にはブログにも書こうと思っていたはずですが、その直後に母が入院してしまい、後は目の前のことを一つ一つこなしていくのが精一杯、忙しくしているうちに、いつの間にか、そんなことがあったことを忘れていたのですね。
小説を読んで、その時のことが蘇ってきました。

今となっては本当に大切な母との思い出だったのに、すっかり忘れていたとは・・・私も薄情な娘です。



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テーマ : 認知症の介護
ジャンル : 福祉・ボランティア

Comment

NoTitle

翡翠さん、こんばんは。

だめ・・・こういうの、想像しただけで涙腺がゆるむ~。最近、とみに涙もろくなって、いちいちウルウルしちゃいます。

でもうちの母の場合は、スーパードライ・ママだったので、「頭なでて子守唄」の可能性はなさそうです。それでも老人ホームを訪ねた帰り際、「また来てね~」と言いながらエレベーターのドアが閉じるまで手を振っているのを見ると、それだけでウルウル。

NoTitle

素敵な思い出がよみがえってよかったね。
私の心の中の母もいつも優しい笑顔ばかり。
今日、買い替え前の携帯に入っている写真データをPCに落としたのですが、懐かしい両親の写真にうるうるしていました。
でも思い出があるということはある意味幸せなのかもしれませんね。 
まだまだ翡翠さんは沢山思い出を作れますよ。

NoTitle

素敵な本ですね・・・・・・

私も 幼い頃炬燵で寝てたら 風邪ひくからお布団で寝なさい なんてよく言われました その時は「せっかく気持ちよく
寝てるのに起こして!」なんて苛立ったこと覚えてます

然し母はそう言いながら 毛布掛けてくれます・・・・・
そんな 些細なことですが今翡翠さんのお話で思い出しました。

翡翠さんは薄情な娘では決してないです!
こうして お母さんとの思い出を心にとめておらるんですから! 今は翡翠さんが傍らでいてくれるだけでお母さんは
感謝され 心穏やかでおられると思います!

NoTitle

翡翠さん、こんばんは。

いいお話ですね。
認知症になっても、どこかで母である部分が残っているものなんですね。
翡翠さんとお母様の、温かい関係を垣間見るようなエピソードですね^^

母とのいい思い出。。。
もう少し、母との距離ができれば思いつくのかもしれません。
私にもあるはずなんですが。。。^^;

どうもありがとうございます

まつこさん

どうもありがとうございます。

まつこさんも私も、親子・保護者の立場が逆転してしまったような状況ですが、やはり、まだ「子供であること」を心のどこかで望んでいるのでしょうね。

お母様との思い出、これからも沢山作ってくださいね。

りりーさん

どうもありがとうございます。

そうですね。思い出があることは幸せなんですよね。
言葉はなくても、母と過ごす週末の時間1つ1つが思い出になっていくのかな。。。
失ってその大きさに気付くのでしょうね。大切にします。

うさぎさん

どうもありがとうございます。

炬燵大好きだった私も良く言われましたっけ。

歳を重ね、親も自分もすっかり変わってしまいましたが、「思い出」だけは大切にしたいですね。

みかんさん

どうもありがとうございます。

今のみかんさんは、ある意味「戦いの真っ最中」だと思うのです。振り返ったり感傷に浸ったりする時間もなく、前へ進んでいかなければならない、そんな状況ですよね。

ちょっと語弊のある言い方ですが・・・私のように、母親の状態が変わり、介護の状況も変わってきて、ようやく得られる思いもあるのかな、なんて思います。

良いお話ですね。

翡翠さんの心の中の思い出に触れ、
なんだか、じんわりとしてきて、私ももらい泣きです。

幾つになっても、
病気になっても、
母は母としての思いを心のどこかに留めているのでしょうね。
私はこの年になっても尚、母に助けられ、心配かけて、
大事にしないければいけませんね。
今までの思い出も、また、これからの思い出も大切にします。
母は良く手袋を徹夜で仕上げてくれて、
感動した朝の事が蘇って来ました。
思い出させて下さってありがとうございました。
翡翠さん、薄情なんかじゃないですよ。
こうして、大切な思い出を心に止める事が出来たのですから。うさぎさんと同じ思いです^^

NoTitle

hiroさん

どうもありがとうございます。

あの当時、どんどん変わっていく母の姿に悲しさと辛さばかりでしたが、病気になってもやはり母は母だったのですね。
この出来事は、ある意味私へのご褒美だったのかもしれません。

hiroさんもお母様との良い思い出、これからも沢山作ってくださいね。
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プロフィール

翡翠

Author:翡翠
翡翠(かわせみ)のおばさん
6年余り、アルツハイマー型認知症の実母(要介護4、2009年で72歳)を自宅で介護。
2009年6月、母は特別養護老人ホームに入所。新たなステージの介護に突入しました。
2010年7月、要介護5に。
共働きの夫あり、姑(2009年81才)も同居。子供なし。

好き:
フィッシュ&バードウォッチング、ウォーキング、赤ワイン、食べる、サッカー観戦、旅行

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